日本の林業へようこそ
木の形状というのは、よく部分的に曲がっていたりするのだが、その部分は切って捨てるしかない。他のまっすぐな所だけ使うのだが、非常に効率が悪い。私が子供の頃、祖父から聞いていたのは「信太郎、おまえが40才か50才になったら当家はもう丸もうけだ」という言葉だった。なぜなら根元の部分は下駄になり、その上のまっすぐな部分は電柱になる。これは電柱に最適で、ぶつかってもめったに折れず、非常にフレキシブルである。従って当時よく使われていた電柱と下駄になるよという話であった。当家はよく子供たちを集めてキャンプをするが、この話をすると爆笑になる。下駄と電柱を目指して東大を出た人間が真面目にやったという話だから大爆笑になるわけである。

 40年前、バンカラな学生はみんな下駄を履いていた。『3 丁目の夕日』とか映画を見ていると、やはり寿司屋の兄ちゃんは下駄を履いている。最近、時間がある時に大分市に行ったが、デパートの前に30 分間いて見ていたのだが、下駄を履いている人は1人もいなかった。ではいつから履いていたかというと、弁慶は履いていたわけであり、弁慶の頃からついこの間まで下駄を履いていたわけである。今は履かなくなったからとみんなは笑うが、植えた時はまだそういう時代だった。従って、東大出の彼をもってしても、下駄が売れなくなるとは思いつかなかった。電柱もそうだが、電柱も今はすっかりコンクリートになってしまった。植林した当時は、基本的には下駄と電柱にするために35 年で切るというやり方だったのだろう。
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