日本の林業へようこそ
 この50年間の育林費を算出することは非常に難しい。例えば今45 年生ぐらいの木だが、45年前に植えて44 年前から始めた下刈りの経費は一体いくらか? これを計算するのは大変だ。また、あるいはそこで植えるのに借入を起こしたとなると、ではどのくらいの利子がかかるのか、等いろいろ考えなければならない。端的に言うと、大体50 年を超えるような超ロングタームの、いわば引き出し不能の定期預金に入れて、2 年目から10 年目までは下刈りという感じで断続的にさらに追加の資金を入れた結果――しかも途中台風で倒れたりするとまたそれが減ってしまう――50年経って満期になったが、入れた金額より少ないお金が戻ってきた、という感じに近いのではないかと思う。

 今も申し上げたように50 年前にかけた経費が本当はいくらだったか? というのを算定する事はなかなか難しい。昨日今日入れた金額であればそれほどでもないが、50年前に祖父が使った金額だからである。

 間伐した現時点において7,500円の過去50年間の育林費用は「とうの昔に支払ったものだからゼロ」と考えると、2,500円キャッシュフローとして手に残るという事になる。では実際にこの2,500円が収益かというと、現実には丸きり赤字である。それでもなお2,500円を全て投入して伐採跡地に植林したらどうなるかという話だが、1 番の苗木づくりから植栽があって下草刈りがあるが、多分下草刈りの6 年間までもたないと言われている。したがって、仮に60年間の事業費・組費をゼロとして考えても次に植える育てる経費は一切出ていない、というのが現実である。
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