日本の林業へようこそ
 次に言いたいのは、「当家は頑張っている」ということである。伐採後、搬出するための基幹道路として、大体1ヘクタール当たり30メートルぐらい入れてある。平成3年の台風のあとトラックが入るような基幹作業道を20キロ建設した。時々、果たしてこれは意味ある事なのだろうか? と思う時がある。農林水産省はよく1 ヘクタールあたり作業道が何メートル入っているかといった表現を使う。言うなれば横に国道があれば国道も使うわけだから(公道を除き作業道の延長距離だけで道路密度を測る)この説明が妥当なのかどうかはよく分からないが、1ヘクタールあたり100~150メートルが、国が目指している道路の長さの基準である。

 当家は自分たちだけでは伐採・トラックによる搬出は行わず、地元の業者を使って一緒にやるという主義である。例えば伐採搬出業者のA社(第3セクターの会社)は、間伐作業開始時点で当家の基幹作業道から更に縦横無尽の細い作業路を建設し、その密度は1ヘクタール当たり250メートルにも及ぶ。そこに高性能林業機械を使って木を出して行く。その高性能林業機械には第三セクターという事もあって多くの補助金が入っていて、その地域の地形などに合わせて一生懸命やるわけだが、それでも第三セクターがうまくいった試しがない(A社は例外中の例外の成功例と言われている)。

 30メートルの基幹道路を使い、250メートルの作業路を入れ、最先端に近い高性能林業機械を入れて、それで行った結果、ようやく伐採・搬出・集材費4,760 円である。国が今目指しているところは5,000円で、基本的にはこの金額でやってもらう事になっており、ようやくこれをクリアしている状態である。さらにもう1つ、当家の場合はトラック業者も協力して、いったん出てきた木を運搬前に大きさ・長さ・曲がり・直径別に森林内の土場で選別し、全体の3分の2 については、市場を通さないで直接工場へ持って行ってしまう。伐採・集材費4,760円はであるが、これはかなり安いコストだと思う。しかしトラック運賃2,405円は結構高い。なぜならば日田までであれば1,500円位で運ぶ事ができるが、遠い所だとわざわざ島根県まで持って行くからである。高く売れるのであればそちらへ持って行く。従ってここが高めになる。市場経費781円は異常に安い。なぜなら市場では3 分の1 しか売らないからであり、それを全量で割っているから非常に安いという話である。
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