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 このように出てきた木も当たり前の流通経路ではなく、かなり効率よく出荷している。つまり何が言いたいかというと、当家は大体1,000ヘクタールを所有管理しているが、今国が言っているように集約化や高密路網の整備、高性能林業機械の導入、流通経路の簡素化といった事は、もう全部終わってしまった。すなわち、単に林業の調子が悪いのではなく、必要だと言われている事は全て終わっていて、その上で丸きり採算が合わないということを言いたいわけである。

 「たった1,000ヘクタールではまだ採算が合わないのではないか。更なる集約化を推進すべきだ」と言われるが、それに対してよく言うのが、「どういう形で集約するか、集約化しても各所有者の意見もそれぞれ違いそれを無視できないが、1,000ヘクタール以上の面積をたった1人の人間の意思で全てをコントロールできるというのは相当効率がいい。」という事である。その上で、先程申し上げた第三セクターA社の一つの作業チームは当家でしかやらない。一年中当家の森林内で作業している。従って完璧に当家のコントロール下にある。トラック業者についてもそうで、その結果森林内の山土場で一緒にみんなで丸太を分けて、市場を通さず直送するということが可能になる。故に、一般的な林業をやっている所と比べると、圧倒的に効率は高いというべきだと思う。

 その上で2,500円しか手取りがなく、育林費を考えれば丸きり赤字ということは、この収入で木を再生産することは無理ということである。ではこれからどうすればいいのか? ということだが、やらなければいけない事はいっぱいある。「田島、お前あと何年もつんだ?」と聞かれれば、「やっぱり3年もこの状況が続いたらうちはもう駄目なんじゃないか」と、内心正直そう思っている。

 例えば1,000ヘクタールで足らないのであれば2,000ヘクタールや3,000ヘクタールあるいは1万ヘクタールにしなければいけない。そうやっていかなければいけないと思う。しかし仮に極めて小規模の所有者の方を200ヘクタール集めるという事だけ考えても相当な時間がかかるだろう。従って最終的にどういうところを目指すのかというと、正直私にはよく分からない。「田島、そこまでがんばったのは分かるけど、まだまだもうひと頑張りしないとうまくいかないぞ」と言われるかも知れないが、かなりの部分頑張ってこの数値というのは、極めて由々しき問題ではなかろうかと私は思っている。
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