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 もちろん2,000ヘクタールあるいは1万ヘクタール規模にしよう、あるいは販売するときに国有林も一緒に合わせてやろうという努力ももう既にやっているし、今後もやっていくが、一番心配しているのは、「ここまでがんばっても駄目だ」という現実が厳然としてある事である。次にどうすればいいかという話の中で、良いことなのか悪いことなのかよく分からないが、低炭素社会というものがここにきて言われてきている。

 つまり「みんなで低炭素社会をつくりましょう。」というわけである。これは「CO2を吸着するから森林は大事だ。」という考えで、関係者は、みんなで大喜びしたけれど実際は何もいい事はなかった。この考えが出てから木の値段は下がる一方で、ますます悪くなっている。

 例えばよく言われているのが「国産材のシェアを50%にしよう」という事だが、実際問題50%をどうやって達成するのか。まず第1に合板とか集成材等の分野で国産材を使っていこうということだが、これは既に私はやっており、合板工場と集成工場に直送をしている。したがって、これは私の場合はシェアアップにつながらない。

 次にチップ。例えば製紙用チップあるいはバイオマスとして売ろうという話がある。バイオマスをさらに化学物質に変えていこうという話もあるが、分かっていただきたいのは、そういった事の前に、先ほどのような厳しい現実があるという事である。バイオマスエネルギーなんていうのは不思議でしょうがないのだが、例えば丸太を売れば、丸太は製材所へ行って合板や集成ラインに回っていくのだが、前述の通りこれも丸きり赤字の状態である。赤字ということは早い話が木を切ったら植えられないということである。今森林サイドである程度のお金を作ろうと思ったら、私のように効率を上げても1立方メートルあたりで2,500円しか手取りはないわけだから、それを1,000立法メートルや2,000立方メートル切っても駄目で、もしある程度まとまったお金を取ろうと思ったら全部切る、つまり間伐ではなく皆伐するしかない。何年生の木であろうがそこで伐り、忘れてならないのは「決して木を植えてはいけない」ということである。伐採跡地に木を植えたらせっかく皆伐で得た収入は数年でなくなってしまう。

 ここから出てきた木でバイオマスを作るとした場合、これはカーボン・オフセットでないと意味がない。つまりあくまで「産出元の森林がサステイナブルに動いている」という事が前提である筈だ。

 だが現実は違う。そこをまずご理解いただきたい。
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